- 2012-07-05 (木) 0:00
- MIRAIにつなぐ(2012-)
ピットクルーの一人で、四耐時にライダーの体のケアを担当して下さる理学療法士の森田麻純(もりたますみ)さんは、ご自身でもミニモト耐久などに参戦される、走るボディトレーナーです。
毎年八耐でもボディートレーナーとして活躍されておられ、今年は四耐、八耐両方のトレーナーをされる予定です。
そんな森田より、ライダーであるからこそ分かる、ライディングに最適なストレッチについて、二回に渡ってお送りしたいと思います。
ご紹介に預かりました、理学療法士の森田麻純です。
前後編の二回に渡り、ストレッチというお題で少しお話をさせて頂こうと思います。
よろしくお願い致します。
練習やレースの前に、よく準備運動としてストレッチをされているのを見かけますよね。
体をほぐしておくことは、ウォーミングアップとともに怪我を予防することでもあります。
関節の可動域を広げ、動きをスムースにしておくのです。
筋肉の温度は普段37度前後なのですが、一番力を発揮しやすいのは39度程度と言われています。ストレッチをすることで筋肉の温度を上げ、運動パフォーマンスの向上を図る意味もあるんです。
ストレッチを効果的に行うには、いくつかの注意点があります。
まずは「リラックスして行う」こと。
筋肉は力を入れることが目的の器官ですが、力を抜くこと でより力を発揮することができるんです。自分が目的とする筋肉が、ちゃんとリラックスしているのを意識しながら行いましょう。
次に「息を止めずにゆっくりと吐きながら行う」こと。
呼吸を止めてしまうと、筋肉が緊張してしまうのでダメです。
そして「無理をしない」こと。
鋭い痛みを感じるぐらいに伸長してしまうと、オーバーストレッチの状態になり特定の部位に負担がかかり過ぎて、痛みや障害の原因となります。イタ気持ちいい範囲内にとどめておいてください。
最後に「反動を使わない」こと。
反動をつけると、筋肉が限界以上に伸びてしまい筋や腱を痛めてしまう可能性があります。筋肉には、筋紡錘といって、伸び伸びセンサーがあるのです。急激に強く引っ張りすぎ ると、反射的に収縮してしまう反射が起きます。この作用が、逆効果となってしまうのです。
筋温を39度までにするには、積極的に動いたストレッチの方法がいいと予想はつくでしょうが、ストレッチングだけで汗をかくまで運動を続けるよりも、効率よくやる方法を考えましょう。
軽く汗ばむ程度のウォーキングやジョギング、足踏みなど。
↓
体の主要な部分の静的ストレッチで筋肉をほぐす。
↓
動的ストレッチで体を大きく動かす。
↓
ライディング!!
と、こんな感じで進めていきます。
これはストレッチとは違うのですが、日ごろから疲れない体づくりとして、水分摂取とリンパマッサージをお薦めします。
水分は、体の中に十分な量がないと筋肉もみずみずしくなくなるし、女性にとってはお肌の乾燥や代謝の低下など良くないことばかりです。
トップモデルの方は、お肌の水分を保つために毎日2〜3リットルの水分を飲んでいると聞きます。飲んだ水分は、尿と老廃物と一緒に体外にでるので、どんどん飲んで、どんどん出して、体の中に老廃物を溜めこまないようにしましょう。
リンパマッサージは、本格的に勉強するとなかなか難しいし、アロマオイルなどでマッサージしてくれるところもありますが、お金が…。
なので、私も行っている楽チンリンパ刺激法を紹介します。
ゴルフボール2個をキネシオテープで8の字にくるくる巻いて固定します。ひょうたんみたいな形のものが出来あがると思います。
それを足の裏に置き、踏んでコロコロするだけ。
いつでもどこでもできるので、常に時間があればコロコロしてみてください。驚くほど足のむくみが取れます。
代謝をあげ、老廃物が流れやすいようにしておくことで「疲労物質の溜まりにくい」体を作って行きましょう!
次の後編では、各論として実際のストレッチの方法を紹介したいと思います。
ウマノ整形外科クリニック
理学療法士 森田 麻純
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